政権崩壊の引き金?福田改造“3つの爆弾”とは…

政権崩壊の引き金?福田改造“3つの爆弾”とは…
町村と伊吹を更迭できず


サミット開幕で、ブッシュ米大統領を出迎える福田首相。国際情勢のごとく、目の前を素通りとならなければいいが=7日午後0時43分、ザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
 福田康夫首相が7日開幕した北海道洞爺湖サミット後に、内閣改造を断行するとの見方が強くなってきた。内閣支持率が20%前後で低迷するなか、政権浮揚の起爆剤にしたい思惑がある。安倍晋三前内閣をほぼ居抜きで引き継いだ首相にとって、「自前の内閣」を初めて構えることになるが、決断は簡単ではない。政権崩壊を招きかねない“3つの爆弾”が潜んでいるからだ。

 「白紙というのは白紙なんです」。福田首相は4日夕、記者団から内閣改造について聞かれ、不機嫌そうに答えた。だが、与党内には早期改造への期待感が高まっている。

 自民党の加藤紘一元幹事長が4日、「福田首相の政治哲学を出すとすれば内閣改造だ」と述べれば、森喜朗元首相も講演で「福田首相はここまで耐え難きを耐え忍んできたのだから、理想的な閣僚を選ぶ方がいい」と進言した。

 憲政史上初となる首相問責決議を可決され、屈辱の「半総理」という烙印を押された首相にとって局面打開は悲願だが、内閣改造は“政権崩壊爆弾”を抱える。

 第1の爆弾は、「財政規律派」と「上げ潮派」のバランスだ。

 自民党内では現在、与謝野馨前官房長官を中心とする財政規律派と、中川秀直元幹事長を中心とする上げ潮派が経済政策をめぐってバトルを展開している。

 財政規律派は、消費税を10%に増税して「社会保障税」とすることで、財政再建の目標達成が視野に入ると主張。一方の上げ潮派は、経済成長率を上げることで税収を増やす経済成長重視路線を唱え、消費税増税は後回しだと対抗する。

 最近は、お互いを「日本の風土に合わない」(与謝野氏)、「国民に理解されない」(中川氏)とののしり合う始末だ。

 福田首相が海外通信社とのインタビューで、消費税増税について「決断の時期」と発言しながら、6日後の会見で「2、3年の単位で言った」と後退したのは、党内対立の過熱を嫌ったともいわれる。

 党4役は「(改造では)財政規律派と上げ潮派の両方を入れないといけない」と首相に進言したというが、改造次第では閣内混乱に波及するのは間違いない。

 第2の爆弾は、派閥領袖らの処遇だ。

 福田政権は党内8派閥から、領袖や領袖級を党役員・閣僚人事で厚遇することで安定している。だが、町村信孝官房長官と伊吹文明幹事長という2領袖の存在が問題となっている。

 町村氏と首相はソリが合わず、官邸内にすきま風が吹く。町村氏は公務員制度改革推進本部の事務局長人事で独走し、中国・四川大地震への自衛隊機派遣でも意思疎通を欠き、物議を醸した。伊吹氏は党内の調整力に欠けるうえ、元大蔵官僚ゆえか、国民感情を逆なでする発言が多い。


サミット開幕を前に国際メディアセンターを訪れ、「ASIMO(アシモ)」に手を振る福田首相と貴代子夫人。「半総理」の汚名を返上し、内閣改造に踏み出せるか=6日午後、北海道留寿都村(代表撮影)(クリックで拡大)
 ただ、領袖だけに簡単に更迭できず、「他ポストに横滑り」(参院幹部)との見方もある。政府と党の要を一度に動かせば派閥バランスを崩しかねない。

 もう1人の領袖、麻生太郎前幹事長の処遇も難題だ。「入閣適齢期」とされる中堅議員に目玉候補がいないため、首相としては国民的人気の高い麻生氏を取り込み、支持率を反転・上昇させたい。閣僚はともかく、党4役なら可能性があるが、「思想・哲学の違い」がネックとなる。

 閣僚経験者も「麻生氏を起用すると内政や外交での違いが際立つ。首相にとってマイナスになるのでは」と語っている。

 第3の爆弾は、福田降ろしが台頭することだ。

 小泉純一郎元首相は3日の講演で、「(福田首相が内閣改造に踏み切った場合)自分の手で(解散を)やるだろう」との見方を示した。つまり「改造断行=福田首相が解散総選挙を決意した」というわけだ。

 内閣改造が成功して支持率が劇的に上がれば問題ないが、現状から大きく変わらない場合、与党議員の反応が注目される。

 世論調査で「望ましい政権の枠組み」を聞くと、「民主党中心」が「自民党中心」を上回る状況が続く。「北海道や四国で自民党全滅」という衝撃的調査もあり、「政権転落もあり得る。首相では次期総選挙は戦えない」(自民党中堅)という見方が根強い。

 内閣改造で、福田首相が解散総選挙への意欲を見せれば、政権転落を恐れる与党議員が一気に「福田降ろし」に走る可能性は強い。

 政治評論家の小林吉弥氏は「サミットでは劇的な成果は期待できず、福田首相は政権浮揚のため、内閣改造に踏み込まざるを得ないだろう。ただ、この支持率では派閥の意向を無視した斬新な人事は厳しく、自民党内に国民が期待する人材は少ない。改造を断行しても支持率が上がらなければ、8月末召集予定の臨時国会中に政権を投げ出すこともある」と話している。

http://www.zakzak.co.jp/top/2008_07/t2008070726_all.html


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